心臓病の人が利用できる支援制度を調べる
心臓病の治療や療養が続くと、医療費や仕事、毎日の生活など、さまざまな困りごとが出てきます。使える支援制度は困りごとによって違い、たとえば医療費が高いときは高額療養費、生活や仕事への影響が大きいときは障害年金を調べます。このページでは、困りごと別に主な制度と相談先を整理し、詳しい条件を確認できる公式情報へ案内します。
同じ心臓病でも、利用できる制度は年齢や病状、加入している健康保険、所得などによって変わります。そのため、下の図解にある制度が必ず使えるわけではありません。どの制度から調べればよいかの目安として使ってください。
心臓病で確認しておきたい主な支援制度
まずは、いま困っていることに近い項目から見てください。いくつもの制度が関係しそうなときは、病院の医療相談室に相談すると、整理を手伝ってもらえます。
制度を調べる入口の図です。利用条件や申請先は、下の詳しい説明と各窓口で確認してください。
詳しい確認事項・リンクを見る
- 高額療養費医療費が高い
入院・手術などの費用を確認するとき
- 障害年金生活・仕事に大きな制限がある
初診日や生活上の制限を整理するとき
- 身体障害者手帳心臓機能の障害への支援を知りたい
心臓機能障害の認定や福祉サービスを確認するとき
- 小児慢性特定疾病子どもの治療費が続く
対象疾病・病状・年齢要件を確認するとき
- 指定難病の医療費助成指定難病に該当するか知りたい
正式な病名と診断・重症度等の基準を確認するとき
- 傷病手当金仕事を休み収入が減った
休業中の給付があるかを、加入する健康保険に確認するとき
- 自立支援医療(育成医療・更生医療)手術などの治療費を抑えたい
予定している治療が対象か、年齢・手帳の条件とあわせて確認するとき
医療費が高くなったとき
高額療養費は、ひと月にかかった保険診療の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分があとから払い戻される制度です。上限額は、年齢や所得によって異なります。また、入院や手術の予定がある場合は、マイナ保険証を使うか、事前に限度額適用認定証を入手しておくと、窓口での支払いをはじめから上限額までに抑えられます。認定証は、加入している健康保険の窓口で申請できます。
この制度は、2026年8月診療分から見直されています。そのため、以前の記事に載っている金額は、いまの制度と合わない場合があります。診療を受けた月に対応する厚生労働省の資料や、加入している健康保険の説明で確認してください。
厚生労働省:高額療養費の現行制度を確認する(外部サイト・新しいタブで開きます)生活や仕事への影響が大きいとき
病気やけがで日常生活や仕事が制限されているときは、障害年金を調べてみましょう。心臓病も対象になることがありますが、受け取るには、初診日にどの年金に加入していたか、保険料を納めていたか、障害の程度はどうかといった要件を満たす必要があります。病名だけで受け取れるかどうかが決まるわけではありません。
会社を休んで給与が出ない、または減ったときは、傷病手当金を確認しましょう。会社員などが加入する健康保険の制度のため、自営業の人などが加入する国民健康保険には、原則としてありません。また、連続して3日休んだあと、4日目以降の休みから支給の対象になるといった条件があります。詳しい条件は、加入している健康保険に確認してください。

心臓機能障害があるとき
心臓の機能に障害がある場合は、身体障害者手帳の対象になることがあります。手帳を持つと、障害の程度に応じて福祉サービスなどを利用できます。なお、手帳と障害年金は別の制度で、手帳の等級と年金の等級は必ずしも一致しません。申請に必要な診断書や、診断書を書ける指定医については、お住まいの市区町村の障害福祉窓口に相談してください。
手術などの治療を予定しているなら、自立支援医療も調べてみてください。障害を取り除いたり軽くしたりする治療で、確実な効果が期待できる場合に、医療費の自己負担を軽くする制度です。18歳未満は育成医療、18歳以上で身体障害者手帳を持っている人は更生医療の対象になることがあります。ただし、通院費がすべて助成されるわけではありません。治療の予定が分かった時点で、いつ申請すればよいかを医療相談室や自治体に確認しておきましょう。
子どもの心臓病の場合
子どもの心臓病で治療が長く続く場合は、小児慢性特定疾病の医療費助成を調べてみてください。対象となる病気に当てはまるかだけでなく、病気の程度などの条件も満たす必要があります。対象は原則として18歳未満ですが、18歳の時点で助成を受けていて、その後も治療が必要と認められる場合は、20歳になるまで続けて受けられます。
このほか、自治体の子ども医療費助成や、障害のある子どもへの手当もあります。お住まいの地域の窓口で確認してください。注意したいのは、20歳を過ぎたあとです。小児慢性特定疾病の対象だった病気が、指定難病の対象になるとは限りません。対象になる場合でも、改めて申請が必要です。助成が終わる年齢が近づいてきたら、早めに医療相談室へ相談しましょう。
子ども・学校生活の情報を探す / 成人移行の準備について読む
指定難病かどうか確かめたいとき
心臓病のなかには、国の指定難病に含まれるものがあります。ただし、すべての心臓病が指定難病に当てはまるわけではありません。まずは主治医に正式な病名を確認し、厚生労働省の一覧に載っているかを調べてください。また、一覧に病名が載っていても、それだけで医療費助成を受けられるとは限りません。診断基準や病気の重さなどの条件を、主治医や自治体と確認しましょう。
厚生労働省:指定難病の一覧・診断基準を確認する(外部サイト・新しいタブで開きます) / 難病情報センターで病名から調べる(外部サイト・新しいタブで開きます)
どの制度から確認すればいいか分からない場合
詳しい確認事項を見る
- 01困りごとをメモ「医療費」「休業中の収入」「生活上の制限」など、いま困っていることをメモする。
- 02自分の情報を整理年齢や正式な病名、加入している健康保険、持っている受給者証や手帳を書き出しておく。
- 03医療相談室に相談病院の医療相談室にメモを見せ、申請先と必要書類を確認する。
国の制度のほかに、自治体が独自に設けている医療費助成や手当もあります。お住まいの自治体の公式サイトや窓口もあわせて調べてください。また、複数の制度を同時に使えるか、給付が調整されるかは人によって異なるため、個別に確認が必要です。
相談先
- 医療費:加入する健康保険の窓口。
- 障害年金:年金事務所。障害基礎年金は市区町村の国民年金窓口でも相談できます。
- 手帳・自立支援医療:市区町村の障害福祉窓口。
- 小児慢性・指定難病:自治体の担当窓口や保健所。
- 制度を横断して整理したい:通院先の医療相談室・医療ソーシャルワーカー。
公式情報
- 厚生労働省:高額療養費(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.mhlw.go.jp
- 日本年金機構:障害年金(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.nenkin.go.jp
- 厚生労働省:身体障害者手帳(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.mhlw.go.jp
- 小児慢性特定疾病情報センター:助成の概要(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.shouman.jp
- 厚生労働省:指定難病(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.mhlw.go.jp
- 厚生労働省:自立支援医療(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.mhlw.go.jp
- 協会けんぽ:傷病手当金(外部サイト・新しいタブで開きます)移動先:www.kyoukaikenpo.or.jp
よくある質問
心臓病という診断があれば、どの制度も使えますか?
診断があるだけで使えるとは限りません。制度ごとに条件が異なり、病名のほかに年齢や病状、加入している保険、所得なども関係します。それぞれの窓口で確認してください。
身体障害者手帳と障害年金は同じですか?
別の制度です。申請先も認定の基準も異なるため、手帳の等級によって、障害年金を受け取れるかどうかや年金の等級が決まるわけではありません。それぞれの窓口で確認してください。
複数の制度を一緒に利用できますか?
一緒に利用できる場合もありますが、片方の給付が減らされたり、どちらかが優先されたりすることもあります。いま利用している制度を伝えたうえで、医療相談室や担当の窓口に確認してください。
編集・更新情報
公式情報・リンク確認日:
運営:コルクレド株式会社
企画・編集責任者:秋山典男(先天性心疾患当事者)
心臓病ポータルでは、行政・学会・専門機関の一次情報を優先し、専門家インタビューと当事者の経験を補助的に紹介しています。このページは医療判断や制度の認定を行うものではありません。